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筋膜ストレッチ - GIFTメソッドの3つのアプローチのひとつ。筋膜の層間を滑らせながら関節の動きを取り戻す柔軟性アプローチ

筋膜ストレッチ筋膜の滑走を改善し可動域を取り戻すgiversのアプローチ

筋膜ストレッチとは?

筋膜ストレッチは、単なる柔軟体操ではなく、「筋膜の重なり(層間)を滑らせながら、関節の動きを再獲得する」アプローチです。GIFTメソッドの3つのアプローチの一つとして、滑走障害(G)の改善やフォーム(F)の回復を支えます。

ストレッチしても可動域が変わらない場合、筋肉の硬さではなく筋膜の滑走不全が原因である可能性があります。giversでは直線的に「伸ばす」のではなく、斜め方向に「滑らせる」ことで、低刺激で可動域の改善を目指します。必ず再評価を行い、変化が出た方法だけを採用します。

監修:安藝泰弘(修士〈スポーツ健康科学〉/株式会社givers代表取締役CEO/PLOS ONE掲載研究者)

筋膜の層を滑らせながら、関節の動きを取り戻す ─ giversメソッドGIFTの柔軟性アプローチ

筋膜ストレッチとは

筋膜ストレッチは、単なる柔軟体操ではありません。「筋膜の重なり(層間)を滑らせながら、関節の動きを再獲得する」アプローチです。

筋膜ストレッチの概念図:筋膜の層間を斜め方向に滑らせることで可動域を改善するアプローチの図解

伸ばすだけでなく「滑り」を意識した方向に動かすことで、可動域の変化をその場で再評価。変化が出た方法を採用し、無理に伸ばさない身体の再教育につなげます。

要点(まずここだけ)

  • 筋膜ストレッチは、GIFTにおける可動域改善の分岐点(伸ばすか/滑らせるかを「再評価」で決める)
  • 筋膜は「伸びる」だけでなく、層と層の間で滑る構造(この滑走が可動域に影響)
  • 斜め方向の伸張は、筋線維に沿った「滑走」を誘導しやすい(直線的なストレッチとの違い)
  • 無理に伸ばすより、「滑らせて動く」条件を整えるほうが、低刺激で可動域が戻る可能性がある

※ただしこれは作業仮説であり、必ず再評価で採否を決める

こんなサインがあると
「筋膜の滑走不全」が関与しているかもしれません

  • ストレッチしても伸びた感じがあるのに可動域が変わらない
  • ある角度で急に「壁」を感じるように止まる
  • 伸ばすと別の場所が引っ張られる感じがする(連鎖的な張り)
  • 動かすときに「ひっかかり」や「ゴリゴリ」を感じる
  • 柔らかいはずの筋肉なのに動きが硬い(筋の硬さ≠動きの硬さ)

これらのサインがある場合、肩こりや腰痛の原因が筋肉の硬さではなく筋膜の滑走不全にある可能性があります。

筋膜の滑走不全のセルフチェック例:ストレッチしても可動域が変わらない、特定角度で壁を感じるなどの動作確認の様子

なぜ筋膜ストレッチが必要なのか:
2つのロック

giversでは、「どこが硬いか」より先に、なぜ動かないのかを2つの系統で整理します。

Front Tension Lock(前面緊張ロック:反れない・伸びない)とFacet Glide Lock(椎間関節滑走ロック:ひねれない・詰まる)の2つの原因を示す概念図
01

Front Tension Lock(前面緊張ロック)

前面の筋膜ラインが短縮・緊張している状態

定義

長時間の座位姿勢や前傾動作の繰り返しにより、体の前面を走る筋膜ライン(浅前線など)が短縮し、伸展や後屈の動きが制限される状態。

Front Tension Lock(前面緊張ロック)のイメージ:前面の筋膜ラインが短縮し、反れない・胸が開かない状態の図解

典型例として、デスクワーカーや長距離ドライバーに見られる「反れない」「胸が開かない」症状が挙げられます。

これは単に「筋肉が硬い」というより、前面の筋膜ラインが短縮し、後方への動きにブレーキがかかる現象として整理されます。

この考え方では、次のようなループが起こり得ます:

前傾姿勢の継続 → 前面筋膜の短縮 → 後屈・伸展の可動域低下 → さらに前傾が楽になる → さらに短縮

介入の狙い

直線的に伸ばすより先に、斜め方向の滑走を誘導し、前面の「張り」を緩める。

02

Facet Glide Lock(椎間関節滑走ロック)

脊椎周囲の筋膜と椎間関節の滑走が低下している状態

定義

脊椎を覆う深層筋膜や多裂筋周囲の滑走が悪化し、椎間関節の微細な動きが制限されることで、回旋や側屈がスムーズに行えなくなる状態。

Facet Glide Lock(椎間関節滑走ロック)のイメージ:脊椎周囲の深層筋膜の滑走が悪化し、ひねれない・詰まる状態の図解

ここで重要なのが「表層」と「深層」の違いです。

表層の筋膜は大きな動きに関与しますが、深層(脊椎周囲)の筋膜は微細な関節運動の滑らかさに関与します。

ここからgiversは、次のように考えます:

「動かない(固定化)→ 深層筋膜の滑走低下 → 椎間関節の動きが悪化 → 回旋・側屈の制限」

介入の狙い

深層の滑走を斜め方向のストレッチで誘導し、椎間関節の微細な動きを回復させる。脊椎機能改善のアプローチとも連携して行います。

Front Tension LockとFacet Glide Lockはどう関係する?

Front Tension Lock(前面緊張)とFacet Glide Lock(椎間関節滑走不全)が相互に増悪し合う悪循環サイクルの図解

前面緊張で伸展が制限 → 代償で回旋を使いすぎる → 深層の滑走が悪化 → 椎間関節が詰まる → さらに前面が緊張…

この"往復"が慢性的な動きにくさの正体になりやすい
だからgiversは筋膜ストレッチで両方の滑走を同時に改善しにいきます。

Front Tension LockとFacet Glide Lockの比較

Front Tension Lock(前面緊張ロック)とFacet Glide Lock(椎間関節滑走ロック)の比較表
項目 ① Front Tension Lock(前面緊張ロック) ② Facet Glide Lock(椎間関節滑走ロック)
主な原因 前傾姿勢/座位の継続で前面筋膜が短縮 動作の固定化で深層筋膜の滑走が低下
状態 "反れない""伸びない" "ひねれない""詰まる"
起こりやすいこと 猫背、胸郭の硬さ、腰への負担増加 回旋制限、側屈制限、動きのぎこちなさ
介入の第一手 斜め方向で前面の滑走を誘導 回旋を含む動きで深層の滑走を改善

なぜ「斜め方向」のストレッチなのか

斜め方向のストレッチが筋膜ラインの走行(スパイラルラインなど)に沿い、層間のせん断力を生むことで滑走を誘導する仕組みの図解

筋膜は単純な「縦方向」だけでなく、螺旋状のラインを持っています。

giversが斜め方向の伸張を重視する理由は、次のように整理できます:

  • 筋膜ラインの走行に沿う:螺旋線(スパイラルライン)は斜め方向に走るため、その方向に動かすと滑走が誘導されやすい
  • 層間の滑りを促進:斜め方向の動きは、隣接する層同士のズレ(せん断力)を生み、滑走を促しやすい
  • 複数の関節を連動させる:斜め方向は単関節ではなく複数の関節運動を含み、実際の動作に近い

直線的に「伸ばす」より、斜め方向に「滑らせる」ほうが、筋膜の構造に沿った改善ルートになり得る

giversメソッド:評価→ストレッチ→再評価

giversの筋膜ストレッチ5ステップフロー:①可動域評価→②仮説→③筋膜ストレッチ→④再評価→⑤セルフケア定着
1

可動域評価(フォームで確認)

前屈、後屈、回旋、側屈などで

  • どこで「壁」を感じるか
  • どこで「引っ張られ」が出るか
  • どの方向で動きにくいか

を確認します。

2

仮説:滑走不全のラインを候補化(断定しない)

可動域制限のパターンから、「滑走が悪化している筋膜ライン」を候補化

大事なのは"当てる"ことより、次の工程で検証できる形に仮説を置くこと

3

筋膜ストレッチ(斜め方向の伸張)

原則はこの3つ:

  • 斜め方向・低強度(筋膜ラインに沿った滑走を誘導)
  • 呼吸と連動(吐きながらゆっくり伸ばす)
  • その場で再評価(変化が出たら採用、出なければ別仮説)

狙いは「伸ばしきる」ではなく、滑走条件を整えること。

4

再評価:可動域と「感覚」が変わったか?

同じ動作で:

  • 「壁」の位置
  • 可動域の変化
  • 引っ張られる感覚の質
  • 動きのスムーズさ

がどう変わるかを確認。

ここで変化が出るなら、"無理に伸ばす前に、滑らせて動く"可能性が高い。
変化が乏しければ、T(トリガーポイント)弱化筋修正への施術を優先する、という判断ができます。

5

セルフケアで定着

変化を維持するためのセルフストレッチを指導し、日常での戻りを防ぎます。

本ページの監修

安藝 泰弘修士(スポーツ健康科学)

株式会社givers 代表取締役CEO

東亜大学大学院にて修士号取得。肩甲骨の非対称性と肩こりの関係に関する研究でPLOS ONE(国際学術誌)に論文を掲載。全国160院以上・累計85万件以上の施術実績を持つgiversこころ整体院グループを統括。

筋膜ストレッチに関するよくある質問

Q

普通のストレッチと筋膜ストレッチは何が違いますか?

A

一般的なストレッチは筋肉を直線的に伸ばすことに焦点を当てますが、筋膜ストレッチは「層間の滑走を改善する」ことを重視します。斜め方向の動きで筋膜ライン全体に働きかけ、「伸ばしきる」のではなく「滑走条件を整える」ことが目的です。そのため低強度で行い、必ず再評価で変化を確認します。

Q

痛いくらい伸ばしたほうが効果がありますか?

A

いいえ。痛みを感じるほどの強度は、筋膜に「守る反応(防御性収縮)」を起こさせる可能性があるため逆効果です。心地よい伸び感から軽い張りを感じる程度が適切な強度です。giversでは低刺激で斜め方向の滑走を誘導するアプローチを取っています。

Q

筋膜ストレッチはどのくらいの時間・頻度で行えばいいですか?

A

1つのポジションで20〜30秒程度、呼吸2〜3回分が目安です。長くやるよりも質(滑走を意識した方向に動かすこと)が重要です。頻度は毎日動かすのが理想ですが、義務にするよりも朝や仕事の合間に自然に取り入れる形がおすすめです。giversでは施術後にセルフケアとして指導しています。

Q

筋膜ストレッチはどんな症状に対して行われますか?

A

ストレッチしても可動域が変わらない、特定角度で壁を感じる、伸ばすと別の場所が引っ張られるといった症状に対して行われます。肩こり・首こり、腰痛、猫背・反り腰の姿勢改善、四十肩・五十肩の可動域制限の背景に筋膜の滑走不全がある場合に有効です。

Q

なぜ「斜め方向」に伸ばすのですか?

A

筋膜は螺旋状のライン(スパイラルラインなど)を持っています。斜め方向のストレッチが重視される理由は、筋膜ラインの走行に沿うため滑走が誘導されやすいこと、隣接する層同士のズレ(せん断力)を生み滑走を促しやすいこと、そして複数の関節を連動させるため実際の動作に近い刺激が入ることの3つです。

注意が必要な症状

強いしびれ、動かすと鋭い痛みが走る、熱感や腫れがある、安静時にも痛む、最近の外傷後などの場合は、筋膜ストレッチの前に医療機関への相談をおすすめします。無理に伸ばすことで悪化する可能性があります。

参考文献

  1. Stecco C, et al. Hyaluronan within fascia in the etiology of myofascial pain. Surg Radiol Anat. 2011;33(10):891-896. doi:10.1007/s00276-011-0876-9
  2. Schleip R, et al. Fascial plasticity – a new neurobiological explanation. J Bodyw Mov Ther. 2003;7(1):11-19. doi:10.1016/S1360-8592(02)00067-0
  3. Myers T. Anatomy Trains: Myofascial Meridians for Manual and Movement Therapists. 3rd ed. Elsevier; 2014.
  4. Langevin HM, et al. Dynamic fibroblast cytoskeletal response to subcutaneous tissue stretch ex vivo and in vivo. Am J Physiol Cell Physiol. 2005;288(3):C747-C756. doi:10.1152/ajpcell.00420.2004

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